しかし、ウェブカメラは画質が悪いなんて言うことも多いかと思います。
中には、生放送で顔出し配信をしている方というのもいらっしゃるでしょうし、そういう場合には致命的になることもあります。
まずは原因を考えてみましょう。
一つは、そもそもウェブカメラの画質が悪いという事。
当然、ちゃんとしたビデオカメラに比べたら悪いでしょう。
次は、配信するソフトウェアの都合。
回線速度を確保する為に、画質を悪くしてファイルサイズを落としている場合もあります。
最近のインターネットブロードキャストサービス、ニコニコ動画やUStream等ではそこまで画質を下げてこないかもしれません。
他にも、パソコンの性能によっては画質が下がったり、かくかくとした、コマ送りになってしまうような場合もあるでしょう。
しかし、すべての条件に問題がない場合、光量が少ない、つまり、ライトをつけるという解決策が最も重要だったりします。
ここから、ウェブカメラ、もとい、画像についての構造のお話をします。
難しい理屈はいいという方は読み飛ばしてください。
まず、写真を撮ることについて説明します。
動画も連続した写真だから基本が一緒の為、写真の説明からします。
カメラで写真を撮る場合、基本的に3つの要素があります。
・絞り
・シャッタースピード
・ISO感度
この3つの組み合わせというのが写真の画質に影響を及ぼします。
写真とは、フィルム(デジカメだと画像素子)に光を当て、それを保存する構造です。
この際、光が弱かったり、素子に当てる時間が短いと暗くなります。
光の強弱は絞りで調整します。
当てる時間はシャッタースピードです。
仮に、フィルムが正しい明るさで保存できる光の総量を100とします。
絞りで50点の光が入るとして、シャッタースピードで50点分長く光を素子に当てると、合計100点になって、良い明るさで写真が取れる、110点等、光を当てすぎると明るくなりすぎ、90点以下等少ないと暗くなりすぎます。
最近のデジカメは、自動的に100点になるように自動的に数字を調整してくれるものがほとんどです。
しかし、本当に暗い場所であれば、入る光の量が20点しかなく、シャッタースピードを遅くし、光を長い時間取り込まないといけません。
そうなると、写真が手ブレしてしまったりしてしまい、不都合です。
そのために、ISO感度というものがあります。
ISO感度は、本来は100点必要な光の量を、80点でも良い明るさで保存できるようにしてくれるパラメーターです。
感度と言うくらいで、フィルムが光に反応する精度みたいなものです。
このISO感度が大きければ大きいほど、シャッタースピードを上げたり、絞りを狭めた状態でも写真が撮れるようになります。
が、ISO感度は、光の感度を高める為、映像にノイズが乗ったり、画質の低下を招きます。
デジカメ等で、夜景等にノイズが乗っている場合、それはISO感度が高いせいだったりします。
写真の話でしたが、なんとなくイメージは掴めたでしょうか?
絞りとシャッタースピードで調整して暗すぎる場合には、ISOの感度を上げる、ISO感度を上げると、今度は画質が劣化するという部分がなんとなくつかめればOKです。
次に、動画の話になります。
動画にはfpsという数字があります。フレームパーセコンド、1秒間に何枚の画像が使われているか、という数値です。
ニコ生等をやっている方ならよく目にするかもしれません。
この数値がウェブカメラでは、15fpsから30fpsあたりが多いと思います。
一般的に24fpsあたりじゃないでしょうか。
これは、1秒間に24枚の画像が必要という事になります。
つまり、1/24秒より遅いシャッタースピードはそもそも使えないという事です。
なぜなら、1/24秒より遅く、例えば、1/10秒だった場合、1秒間に10枚しか撮れません。無理やり24枚撮るというのは、物理的に不可能になります。
ついでに言うと、動画として適切なのは、おおよそ、1/60〜1/100秒くらいのシャッタスピードが良いとされています。
多分ですが、だいたいのウェブカメラも、これくらいの数値を狙って調整しているはずです。
今、カーテンを閉めて蛍光灯をつけた自室を絞りとISOを固定して撮影してみました。
こうすることで、シャッタスピードがカメラが自動で調整してくれます。
・ISO感度200(一般的に風景等を撮るときに使うISO感度)
・絞り F5.3 (安いウェブカメラで使用されてると思われる絞り値)
という条件で、茶色の木製ベッドフレームにフォーカスを合わせると、必要なシャッター速度が「1/20秒」とでました。
つまり、現状の明るさでは、すでに光量が足りません。
絞りを開ければシャッタスピードに余裕ができて、もう少し早くできるのですが、ウェブカメラはほとんど明るい絞りに適応していないはずです。
絞りは、暗く(絞り値を大きく)するのは簡単ですが、明るくするには、良いレンズを使ったりしないと難しい為です。
コストがかかりすぎるので、できないと言ってもいいでしょう。
そうなると、残りはISO感度を上げるしかありません。
=画質劣化です。
実際、今はカーテンを閉めただけです。
暗幕ではないので、結構光が入り込みますので、これでもマシな数値だと思います。
下手をすると、1/1秒等、1秒まるまる必要な場合もあり、そのときに1/24秒以下のシャッタースピードにするとなると、想像を絶するくらいISOを上げ、画質の劣化を覚悟しなければなりません。
写真を撮る人なら、撮ることを諦めるレベルでしょう。
意外と蛍光灯は明るいと思いがちですが、かなり暗いです。
人間の目には明るくなる光にはなっていますが、光量で考えると少ないものです。
もちろん、ウェブカメラの性能も影響してきますが、一度、試しに、昼間、日の入る窓側等に小物を写すか、ノートパソコンの方だったら、ベランダ等から外を写してみて、画質の向上が見られれば、夜にウェブカメラを使う際に、光量を上げれば画質の向上が見込まれます。
さて、もう一つ重要なことがあります。
それは、露光計という仕様です。
カメラは自動的に明るさを探知し、絞りをシャッタースピードを調整してくれます。
しかし、これには弱点があります。
黒いものと暗いを判断できないのです。
簡単に言ってしまうと、黒いものが多く写っていると、画質が勝手に劣化します。
自分や、自分の周囲がやけに明るく、画質が悪い場合の人は、このパターンにハマっています。
まず、写っているものに、真っ白はあまり良くないので、明るいグレーを多め、用意できなければ、なるべく明るいものを周囲に置きましょう。
そうすると、カメラが明るすぎる、と判断し、ISO感度が下がる可能性があります。
他にも、蛍光灯に対して背を向けると自分が暗くなり、ISOが下がったり、周りが白飛びして見づらい画像になったりもしますので、ライティングには気をつける方がいいでしょう。
という事で、まとめます。
・背景にはなるべく明るく、影にならないようにする
・卓上ライトなどでいいので、光量を増やす
という事に気をつけると、使用しているウェブカメラの性能を引き出しやすくなるかもしれません。
実際、背景を気をつければ、適当なUSBのLED ライトでも十分効果があるようです。
LEDライトを使う場合には、薄い半紙のようなものを巻きつけ、拡散光にすると効果が高く、尚且つ、自分の上部や下部から照らさず、斜め前方から光を当てると、簡単なライティングになると思います。
クリップやスタンドで自由に設置できるタイプのものがお薦めです。
くどいようですが、まずは、自分のウェブカメラの性能を調べる意味でも、太陽光の入る場所で試してから、光量不足なのか、それともウェブカメラの性能なのかを見極めるところから始めてみるといいと思います。
究極は、F値の高いウェブカメラを買うのも手ですね、それだけでISO感度をかなり稼げます。
こういう明るいレンズを搭載しているように見せているものもありますが、明るいレンズを使っています、と書かれている場合には、顔検出オートフォーカスがないと使い物にならないので気をつけてください。
明るいレンズはピントが合う幅が狭く、動画でもピンボケを起こす場合があります。
上記製品は使われているので、そういう意味でも安心です。
ウェブカメラを選ぶ基準にしてみてはどうでしょうか?

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