実際には、ZERO3が発売した頃には、スマートフォンという言葉はありました。
スマートフォンという名称は、1997年、エリクソン社が提唱した名称であり、商標が絡む部分もあり、使われなかったのと、当時はGeOSと言われるOSを搭載したエリクソンの機種がスマートフォンの主題であり、GS88というのがスマーフォトンと名付けられた唯一の機種でした。
実際は、IBMが1992年にSHARPのザウルスを搭載したSimonがスマートフォンの最初とも言われています。
対するWindowsMobileは、対抗する意味でもWindowsMobileという名前をスマートフォンという意味合いに置き換えていたというのが日本でスマートフォンという名称が進まなかった原因と思われます。
そして、代替えとして存在していたのがPDAという名称です。
APPLEは、1990年代初頭にPDAという言葉を発案し、NEWTONという製品にて攻勢にでますが、時代が追いつかず失墜。
これが、移動端末の一般名称PDAを普及させる一因でした。
これがiPhoneの走りだと思うと、10年の時を経て、iPhoneとして転生したと考える事もできます。
NEWTONには電話機能はありませんでしたが、奇しくも、スマートフォンの最初と言われるSimonと発表の年を一緒とし、実際に発売されたのはNEWTONの方が1年早かったのです。
PDAという言葉は一般名詞としてSHARPのザウルスに引き継がれ、SHARPのPDAは日本ではZERO3のカーネルOSがザウルスを利用していた事もあり、WindowsMobile機種をPDAと呼称するように仕向けていたようです。
やはり、スマートフォンという言葉はここでも使われません。
一因に、スマートという言葉自体が、痩せているとか、スリムという意味で日本では広く認識されている事が挙げられます。
そして、まだスマートフォンという名称は若かったのです。
その後、エリクソン社は変遷もあり、OSの変更等も踏まえつつ「フルブラウザがついており、ハードウェアキーボードを搭載、ToDo機能、メーラーとしての優秀さを併せ持つ、電話のできる機能」を持った移動端末がスマートフォンと名乗れるなったのです。
後は、PalmOSの短絡的なヒット、BlackBerryのビジネスマンへのヒットによって、スマートフォンという言葉が海外で一般名詞になり、徐々に日本のビジネスマンの間にBlackBerryの密かな人気もあり、ゆったりと普及します。
ここまでが旧世代スマートフォン史と言えます。
そして、現代スマートフォンの確信は、初代iPhoneの発表で、賢いという意味だけではなく、使い方・使い勝手でもスマートな、という意味も含め、現在のスマートフォンの新定義をAPPLEがした事で、現在のスマートフォンが再発明されました。
それまでは、「スマート=賢い」という意味でしたが、ジョブズは発表の際に、「賢いけど使いにくい、どうみてもスマートじゃない。」と一蹴します。
そして、タッチのみでほとんどの操作を完結できるiPhoneは「失敗策」として世間に認識されるのです。
なぜなら、ハードウェアキーボードは必要という認識が強かったのと、期待されていたのは、Mac OSXがフルネイティブに完全に動く事が期待されていた為です。
実際に、iPadにも同じ事が言われていました。
しかし、発売してみれば違いました。
結果は大ヒットです。
唯一の弱点は、提携していたのがATベルという会社で、エリア問題があったというところでしょうか。
それまでのスマートフォンに比べて操作性の良さ、動きの軽快さ、サイズ、上回る要因が大きく、すぐにヒットに結びつきました。
後は、3Gの日本の発表以降は知られている通りでしょう。
スマートフォンという名称はいまでこそ一般化しましたが、細かく言えばもっとダイナミックに、且つ繊細に推移していきました。
Androidがなぜ、iPhoneの模倣だと怒られる理由もわかるでしょう。
iPhoneはスマートフォンであって、一般名詞のスマートフォンではないのです。
極限まで賢く、気の利いた、シンプルな美を兼ね備えた最初の発明品だからです。
言い直せば、極限までスマートで、スマートな、スマートさを兼ね備えた最初の発明品、スマート3フォンなのです。
ちなみに、マルチタッチもAPPLEの特許です。
買収特許ですが。
Androidにマルチタッチ等APPLEの特許や意匠を外したら、勝ち目のないモノになっていることでしょう。
それだけ、現代スマートフォンというのは一つの発明から派生したと言えるのです。
しかし、どのスマートフォンも理想として、電子情報を携帯し、仕事を効率化する為に作られています。
そして、それが一般生活にまで手を広げたのです。
どのスマートフォンもユーザーがどういう利便性を求め、どういう風に利用していくのかによって存在意義を大きく変えられます。
そして、スマートフォンを所有するユーザーも、上手に使いこなすことで、生活を変貌させる事ができるかもしれません。
そして、世界初のスマートフォンには、日本のザウルスが搭載されていた事が今でも悔やまれる部分です。
もしかしたら、どこかでちょっとしたキッカケがあれば、今頃、スマートフォンのOSシェアはザウルスがトップシェアだったかもしれませんね(笑
ということで、スマートフォンの名前の由来からスマートフォン史、スマートフォン論まで足を伸ばしてしまいましたが、掲題の結論は、「スマートフォンはエリクソン社が、自社製品に与えたニックネーム」でした。
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